Qt Developer Days 2012 North America キーノート

11/12 – 14 にベルリンで開催された Qt Developer Days 2012 Europe に引き続いて、Qt Developer Days 2012 North America がスタートしました。もっともトレーニングデーである初日はすでに終了。今日からの二日間はカンファレンスデーになります。その午前はキーノートです。その内容を簡単に紹介しましょう。

Qt Developer Days 2012 North America

まずはウェルカムスピーチとして、 Qt Developer Days 2012 Europe のメインホストである KDAB の President & CEO である Matthias Kalle Dalheimer から North America のメインホストである ICS の CEO である Peter Winston へリレーする形で Qt Developer Days 2012 North America の開催が宣言されました。Nokia というこれまでの主催がいなくなり、開催も危ぶまれていた Qt Developer Days ですが、そういった事情に加え、Qt5 のリリース間近ということもあり新たなスタートを切った形になります。

そして、最初のキーノート ”Keynote: Qt – Gearing Up For The Future” が Digia の Senior Vice President, International Products である Tommi Laitinen によって始まりました。 Nokia から多くの開発者を引き継いだ Digia ですが、フィンランドの会社ということもありまずは会社紹介から。その後はマーケットの状況を踏まえての Qt の今後の展望を。二年前の Dev Days では90%の人たちがデスクトップでの開発に興味があったということですが、今ではデスクトップは50%で、残りをモバイルと組み込みが分け合うような形になっているそうです。また、ユーザのシェア的にも Android や iOS が大きくなっており、2013年には既に RIM がコミットしている BlackBerry に加えてこれら二つのモバイルプラットフォームも Qt の Tier 1 サポートプラットフォームに加わることを話しました。モバイル方面の強化はあるものの、基本的にはこれまでの追認に近い内容でした。詳細が気になる方は英語ですが、 Qt Blog の記事 に目を通してください。

続いては Nokia から Digia へ移籍した CTO かつ Qt Project の Chief Maintainer である Lars Knoll による ”Qt 5 Roadmap” です。まずは本日に Qt 5.0.0 RC1 がリリース されたことを発表しました。このまま上手くいけば今年の末に 5.0.0 の正式リリースとなります。続いては Qt Project と Qt 5.0 の概要を紹介。今年は 450 人のコミッターによる 25,000 コミットがあったそうです。組織ごとに色分けされたコミットの推移のグラフを見ていると、様々なイベントごとに増減するコミットと、Nokia ブルーが夏以降一気に減り、Digia がそれに取って代わったのがよく分かります。Qt 5.0 の機能については昨年の様々な場所での発表から特に目新しい内容はありませんでしたが、リリースも近づいているということもあって比較的細かなことも盛り込まれているのが興味深いところでしょうか。
そして、ようやく来年のロードマップについて。今後のリリースはタイムベースドリリースで年に二回行うそうです。2013年は夏頃に5.1、年末に5.2のリリースを予定しています。
続いてはプラットフォーム関連。Android に関しては Tommi が言っていたように2013年に加わります。以前に Qt Blog で記事 にされたように Android への Qt のポートである Necessitas の成果が Qt Project に取り込まれつつあることもあり、比較的スムーズに進んでいるそうです。夏ぐらいにリリースできそうという話ですが、5.2 がターゲットとも聞こえたのでどこか聞き間違えたかもしれません。iOS に関しては色々と苦労しているようで、こちらも 5.2 がターゲットですが、限定的には 5.1 で使える機能もあるかもということでした。また、BlackBerry も 2013 年に Tier 1 に加わります。Windows 8 については Under investigation(調査中)と言うことでした。おそらくモダン UI や ARM 対応が関係しているのだと思いますが、こちらは時間がかかるのかもしれません。
来年に正式に対応する予定の機能についても説明がありました。まずは Qt Quick Components for Desktop & Touch を夏までに。次に Build System & Deployment と言うことで、分かりにくい quake の代わりとして開発中の qbs と、多くの要望があったパッケージングとインストーラーの双方についても夏までを目標にしていると言うことでした。Qt3D など、Qt 5.0 では残念ながら正式リリースには含まれないモジュールに関してもいくつか 5.1 以降に含まれるようになるそうです。

休憩を挟んで最後のキーノートは Research In Motion の Vice President Developer Relations and Ecosystem Development である Alec Saunders による ”Qt and the Upcoming BlackBerry 10 Platform” です。まずは BlackBerry のアプリマーケットの iOS や Android に比べての優位点の紹介から。 Nokia も同じようなこと言ってたなと思いつつも、小規模なマーケットでもアプリ開発者にメリットがあるのは良いところでしょうか。続いては BlackBerry 10 のデモ。残念なことにプロジェクターとの接続か何かが悪く、映し出された画面の色がおかしかったのですが、良く動き、ソーシャルとも連携するモダンなモバイルプラットフォームとして良く作られているのは分かります。Qt のイベントのキーノートではありますが、BlackBerry 10 では Qt 以外にも HTML5 や Adobe AIR、Java 等の様々な開発方法が用意されていることが説明されました。その後は Qt アプリのデモとして ICS が作ったマップアプリや、QML ではおなじみの Same Game、傾き感知センサーと Box2D を使った簡単なゲームなどが紹介されました。このキーノート最後の話題は BlackBerry Qt Porting Program でした。このプログラムについては「Qt Developer Days に参加して BlackBerry 10 Dev Alpha デバイスを手に入れよう」をご覧ください。
ちなみに、RIM のブースで話を聞いたところ、BlackBerry 10 で動いているのは Qt 4.8 だそうですが、その場には Qt5 でのデモもありましたし、Lars のロードマップからもそう遠くないうちに Qt5 系になるものと思われます。

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