QtWayland のロードマップ

qt-project.org の development メーリングリストに QtWayland の現状とロードマップがポストされました。QtWayland は Qt5 を Wayland 上で動かすためのクライアント(QPA)プラグインと Wayland 上で Qt を使って Compositor を作るための QtCompositor API を開発しているプロジェクトです。

いくつかの問題はあるものの、現状では Qt 5.1 のリリースに合わせて(あるいは直後に) QtWayland 5.1 をリリースするために準備をしているところだそうです。5.1 では基本的には QPA プラグインの提供が主で、QtCompositor は API の変更が行われるかもしれないため、experimental リリースとなるそうです。なお、wayland QPA プラグインは Qt5 が OpenGL を必須とすることから、wayland-egl が必要となります。

その後の QtWayland 5.2 では QtCompositor API や Window decorations API の改良、Wayland Input Method のサポート、テストの追加などが予定されているようです。

上記のロードマップは反映されていませんが、QtWayland に関しては wiki の記述も参考にしてください。

なお、Wayland Input Method に関しては Mallit の wiki や FOSDEM 2013 のスライド などが参考になるでしょう。

Wayland Overview

個人的に初日のセッションの目玉はこれ。X Window System(以下 X) を中心に数々の設計・実装を行ってきた Keith PackardWayland と Qt について話すという、Qt に興味が無くても Unix 系のデスクトップに興味のある人にはとても面白いセッションだと思います。Qt Developer Days 2012 Europe にはなかった、North America だけのセッションです。

まずは Wayland の概要の説明から。ここに限らず全体的に X との比較が入ってくるので、X に関する知識、とくに伝統的な Xlib プログラミングと近年のプログラミング手法に関する知識がある方が理解は深まる内容でした。欲を言えば、その辺りの時代による変化の説明が欲しかったところでしょうか。

“Wayland Overview” の続きを読む