Qt 5.4.1 リリース

Qt 5.4.1 がリリースされました。

Qt 5.4.0 のバグフィックス版になります。

主な修正内容を列挙します。

  • Windows(MSVC 2012 or 2013) 版の Qt 5.4.0 で Qt 5.3.2 とのバイナリ互換性が壊れていた問題を修正
    このため、Qt 5.4.1 は Qt 5.3 とのバイナリ互換性はありますが、5.4.0 とのバイナリ互換性はありません。
  • Windows 版 Qt 5.4.0 で Qt Quick Engine の JIT がデフォルトで無効になっていた問題の修正(QTBUG-43171)
  • Open GL/ES 3 に対応していないマシン上で ES 3 の命令を使おうとする問題の修正(QTBUG-43318)
  • OS X 版で不要なリンクパスが埋め込まれていた問題の修正(QTBUG-42594)
    Mac Ports がインストールされている環境で Assistant 等が起動しない可能性があります。
  • macdeployqt が 5.4 でデグレードしていた問題の修正(QTBUG-43100)
  • WinRT 関連の修正
  • Windows 10 Tech Preview の対応

Qt Creator 3.3.1 リリース

Qt Creator 3.3.1 がリリースされました。

Qt Creator 3.3.0 のバグフィックス版になります。
ただ、OS X 版のバイナリでは CLang コードモデルプラグインの読み込みに失敗するバグが復活しています。
OS X 版で CLang コードモデルを利用したい人は “Qt Creator.app/Contents/PlugIns/libclang.dylib” を
“Qt Creator.app/Contents/libclang.dylib” に移動させてください。

mv "Qt Creator.app/Contents/PlugIns/libclang.dylib" "Qt Creator.app/Contents/libclang.dylib"

Qt 5.4.0 リリース

Qt 5.4.0 がリリースされました。新モジュールの追加と新たなライセンスとして LGPLv3 が追加になっています。
特に組込向けでは LGPLv3 による影響が大きい場合があるため、オープンソース版を使用する際には注意してください。

Qt 5.4 では Web 系を中心にいくつかの新しいモジュールが存在します。

  • Qt WebEngine
  • Qt WebChannel
  • Qt WebView(テクニカルプレビュー)
  • Qt Canvas3D(テクニカルプレビュー)

また、Qt WebKit モジュールのステータスが “Done” (完了)に、
Qt OpenGL モジュール(QGLで始まるクラス)は “Deprecate” (非推奨)に変更になりました。

OpenGL や Qt Quick 系も多数の変更があり、例えば新たな API である QQuickRenderControl クラスを使用して、
3D シーンの中で QML を動かすような事も(理論上は)可能になりました。

細かなところではQML State Machine Framework や QStorageInfo クラス、
Wayland QPA プラグインなども活用が期待される機能です。
特に QML State Machine Framework は Ford 社からコントリビューションされたということも注目されています。

なお、Qt のロゴが変更されて、このリリースからフラットデザインになっています。Qt Quick Controls のフラットスタイルもこれに合わせて
作成されたものでしょうか。オンラインインストーラでアップデートした場合には Qt Creator のアプリケーションアイコンが古いままになる場合も
あるようなので、新しいロゴで使いたい方は一度アンインストールしてから最新版をインストールしてみてください。

テクニカルプレビューで Qt 5.4 に入るといわれていた Qt 3D については残念ながらリリースに含まれなかったようです。

Qt Creator 3.3.0 リリース

Qt Creator 3.3.0 がリリースされました。

変更内容の概要については「Qt Creator 3.3 ベータ版リリース」の記事を参照してください。

その他で気になる項目を以下に記載しておきます。

  • Qt Quick Profiler での Qt4 アプリケーションのパスが正しく取得できない問題の修正(QTCREATORBUG-13382)
  • QtQuick UI File の追加
    かなり以前(Nokia 時代)に “Proposal: Qt Quick Designer Workflow“(日本語訳) で提案されていたものに近い形で実装されています。拡張子が .ui.qml で終わる QML のサブセットを Qt Quick Designer で編集する UI フォームとして、実際の動作はそれに対応する別 QML ファイルに記述する形となります。

なお、3.3.0 から Qt Creator のビルドに必要な Qt が 5.3.1 以降に変更になりました。Qt Creator 上でそれ以前の Qt を用いたプロジェクトをビルドすることは当然可能です。

Qt Creator 3.3 ベータ版リリース

Qt Creator 3.3 ベータ版がリリースされています。

エディタの分割やマルチウィンドウサポートの改善を筆頭に、様々な改善が行われています。
大きめのプロジェクトを扱う人には qmake の非同期読み込みが便利でしょうか。

“Qt Creator 3.3 ベータ版リリース” の続きを読む

Qt 5.4 ベータ版リリース

遅くなりましたが、Qt 5.4 のベータ版がリリースされています。

5.4 の主な変更点を以下に記載します。

  • モジュールの追加: WebEngine(technology preview), WebChannel
  • WinRT の(ほぼ)フルサポート
  • LGPLv3 の追加
  • HighDPI サポートの改善
  • OpenGL 関連の改善
  • Bluetooth LE(Low Energy) のサポート(technology preview)
  • Android サポートの改善
  • iOS サポートの改善
  • OS X サポートの改善
  • Wayland サポート
  • etc.

“Qt 5.4 ベータ版リリース” の続きを読む

Qt 5.3.2 & Qt Creator 3.2.1 リリース

Qt 5.3.2 と Qt Creator 3.2.1 がリリースされました。

Qt 5.3.2

Qt Creator 3.2.1

どちらもバグフィックス版です。Qt Creator 3.2.1 に関しては 3.2.0 で発生していた OS X 版で CLang コードモデルプラグインが読み込めなかった問題やフリーズ、クラッシュなどの重要なバグが修正されています。Qt 5.3.2 に関してはバグフィックスと商用版のモジュールのアップデートが特徴のようです。

Qt 5.4 アルファ版リリース

Qt 5.4 アルファ版がリリースされました。

主な変更点を以下にまとめます。

  • WinRT のフルサポート
  • QOpenGLWidget の追加とそれに伴って旧 OpenGL モジュール(QGLで始まるクラス群)の非推奨化
  • QQuickRenderControl クラスの追加
    これまでは Qt Quick を QQuickWindow 以外へ描画することができませんでしたが、QQuickRenderControl を用いることでウィンドウ以外へ描画することができるようになります。
  • Windows 版でネイティブ OpenGL と ANGLE 版を動的に選択可能
    これまではコンパイル時にどちらを用いるかを決定する必要がありましたが、今後はアプリケーションの起動時にどちらを用いるかを指定できるようになります。アプリケーションの起動後には動的な変更はできません。
  • Qt Quick Controls での Android ネイティブスタイル
    なお、このモジュールは Apache 2.0 ライセンスのコードに依存しているため、LGPLv2 では利用できません。
  • Bluetooth Low Energy (Bluetooth LE)のサポート(テクノロジープレビュー)
  • Qt WebEngine モジュールの追加
  • Qt WebChannel モジュールの追加
    WebKit/WebEngine の JavaScript から C++(QObject) の機能を利用するためのモジュールです。QWidget 系のクラスを利用することはできませんが、Qt WebEngine で Qt WebKit Bridge と同様の機能を利用するための機能と考えてください。
  • LGPLv3 ライセンスの追加

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Qt Creator 3.2.0 リリース

Qt Creator 3.2.0 がリリースされました。ベータ版、RC版の記事は書く余裕が無かったのでこの記事でまとめてお知らせします。

主な変更点は以下の通りです。

  • テキストエディタでブロック選択後に複数行を同時に編集する機能の追加(“Column Editing”)
  • ヘルプを別ウィンドウで表示可能に
  • C99の指示初期化子(designated initializer)や文字列の連結の C++ コードモデルへの追加。エンコーディングやラムダ関数サポートの改善
  • プロジェクトツリーペインなど、検索可能なペインの追加
  • QML プロファイラのパフォーマンス、安定性の改善(ex. QTCREATORBUG-12496)
  • デバッグヘルパの改善。カスタムデバッグヘルパ機能の追加
  • C++ コード補完の改善

Qt 5.3.1 & Qt Creator 3.1.2 リリース

Qt 5.3.1 と Qt Creator 3.1.2 がリリースされました。

どちらもバグフィックス版です。Qt 5.3系、Qt Creator 3.1系を使っている場合にはバージョンアップしましょう。

Qt 5.3.1の主な変更点は以下の通りです。

  • Qt Quick Engineのパフォーマンス改善(主にARM)
  • ANGLE での QQuickWidget
  • Mac OS X 10.10 の初期サポート
  • Android L の(初期)サポート
  • その他

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