Qt 5.4 アルファ版がリリースされました。
主な変更点を以下にまとめます。
- WinRT のフルサポート
- QOpenGLWidget の追加とそれに伴って旧 OpenGL モジュール(QGLで始まるクラス群)の非推奨化
- QQuickRenderControl クラスの追加
これまでは Qt Quick を QQuickWindow 以外へ描画することができませんでしたが、QQuickRenderControl を用いることでウィンドウ以外へ描画することができるようになります。 - Windows 版でネイティブ OpenGL と ANGLE 版を動的に選択可能
これまではコンパイル時にどちらを用いるかを決定する必要がありましたが、今後はアプリケーションの起動時にどちらを用いるかを指定できるようになります。アプリケーションの起動後には動的な変更はできません。 - Qt Quick Controls での Android ネイティブスタイル
なお、このモジュールは Apache 2.0 ライセンスのコードに依存しているため、LGPLv2 では利用できません。 - Bluetooth Low Energy (Bluetooth LE)のサポート(テクノロジープレビュー)
- Qt WebEngine モジュールの追加
- Qt WebChannel モジュールの追加
WebKit/WebEngine の JavaScript から C++(QObject) の機能を利用するためのモジュールです。QWidget 系のクラスを利用することはできませんが、Qt WebEngine で Qt WebKit Bridge と同様の機能を利用するための機能と考えてください。 - LGPLv3 ライセンスの追加
LGPLv3 ライセンスに関してはライセンスの文章をきちんと確認してから記事を書きたいと思っています。
今後は LGPLv2 が適用されないモジュールが増加すること、LGPLv3 と LGPLv2 には互換性がなく、LGPLv3 のモジュール使用時には LGPLv2 を一部に適用するようなことができないため、この変更が気になる人は各自でチェックしておいてください。
また、5.4 には含まれない様子ですが、以下の新モジュールも準備されているようです。これらのモジュールには LGPLv2 版は用意されません。
- Qt Canvas3D: WebGL 的な QML 用 3D モジュール
- lightweight WebView: モバイルプラットフォーム向けのネイティブ HTML エンジンを用いた WebView エレメント。現状は Android 版のみのようです