Qt 5.4.0 がリリースされました。新モジュールの追加と新たなライセンスとして LGPLv3 が追加になっています。
特に組込向けでは LGPLv3 による影響が大きい場合があるため、オープンソース版を使用する際には注意してください。
Qt 5.4 では Web 系を中心にいくつかの新しいモジュールが存在します。
- Qt WebEngine
- Qt WebChannel
- Qt WebView(テクニカルプレビュー)
- Qt Canvas3D(テクニカルプレビュー)
また、Qt WebKit モジュールのステータスが “Done” (完了)に、
Qt OpenGL モジュール(QGLで始まるクラス)は “Deprecate” (非推奨)に変更になりました。
OpenGL や Qt Quick 系も多数の変更があり、例えば新たな API である QQuickRenderControl クラスを使用して、
3D シーンの中で QML を動かすような事も(理論上は)可能になりました。
細かなところではQML State Machine Framework や QStorageInfo クラス、
Wayland QPA プラグインなども活用が期待される機能です。
特に QML State Machine Framework は Ford 社からコントリビューションされたということも注目されています。
なお、Qt のロゴが変更されて、このリリースからフラットデザインになっています。Qt Quick Controls のフラットスタイルもこれに合わせて
作成されたものでしょうか。オンラインインストーラでアップデートした場合には Qt Creator のアプリケーションアイコンが古いままになる場合も
あるようなので、新しいロゴで使いたい方は一度アンインストールしてから最新版をインストールしてみてください。
テクニカルプレビューで Qt 5.4 に入るといわれていた Qt 3D については残念ながらリリースに含まれなかったようです。