Qt Creator 2.7.0 のβ版 がリリースされました。
主な新機能は以下の通りです。
- C++11 対応の強化
- Qt Quick Designer の Qt Quick 2 対応(要 Qt5)
- キット(Kits)の改善
- その他
string freeze は次の木曜日、RC 版のリリースはベータ版から二週間後(2/21頃?)を予定しているそうです。
リリースの記事で紹介されていた新機能を簡単に紹介します。
C++11 対応の強化
まだ、C++11 に完全に対応しているわけではありません。
- 新しいキーワードへの対応(alignof, alignas, noexcept)
- 関数の宣言における参照修飾(ref-qualifier)
- テンプレートにおける「>>」(山括弧)
- ラムダ関数 対応の強化
- 統一的な初期化構文(uniform initialization あるいは brace initializers)
ビルドシステムから対応する C++ のバージョンについて詳しい情報が得られなかった場合、経験に基づいて C++11 だと想定するようになりました。
また、clang コードモデルへの移行はまだ行われていません。
Qt Quick Designer の Qt Quick 2 対応
旧来の Qt Quick Designer が QtQuick 2.0 でも動くようになりました。ただし、それには Qt5 でビルドされた qml2puppet が必要です。ベータ版のバイナリパッケージは Qt 4.8 でビルドされているため、この機能を試すには Qt5 で Qt Creator を自分でビルドするか、Qt 5.1 のリリースを待つ必要があります。
キット(Kits)の改善
キットとは Qt とコンパイラ、デバッガとターゲットとなるデバイスのセットを設定するための機能です。特にクロスコンパイル向けの強化が行われ、プラグインを作成しなくてもカスタムのツールチェインが設定出来るようになりました。その代わり UI が改悪されたと言えなくもありません。改善するためにもフィードバックをお願いします。
その他
その他の改善点としては以下のものがあげられています。
- QBS への暫定対応
- git でのマージツール対応
- BlackBerry 向けの新しいアプリケーションテンプレート
- デバッグ時の画像データの外部ビューアでの表示
- FakeVim の改善
なお、Maemo, MeeGo 対応として使われていた Madde サポートですが、一般的な Linux デバイス対応に多くの機能が含まれているため、デフォルトでオフにされることになりました。現状では 2.7 ベータでは関連する設定がリセットされ、プラグイン自体も強制的にオフにされるため、必要な人は別途オンにしてください。なお、正式リリースまでには対応の改善を検討しています。