Qt 5.2 アルファ版

Qt 5.2 のアルファ版がリリースされました。アルファ版のため、ソースアーカイブのみのリリースです。

Qt 5.2 の主な新機能について簡単に説明します。

Android と iOS サポート

待望の Android と iOS が(ほぼ)フルサポートとなります。Essential モジュールに関しては Qt WebKit 以外がすべてサポートされます。Add-on モジュールでは Qt Sensors や Qt Graphical Effects, Qt Script, Qt SVG がサポートされています。Android ではそれらに加えて Qt Android Extras モジュールがあり、JNI が利用できます。

気になるところと言えば、Qt WebKit は 5.2 のリリース以後はメンテナンスモードに入る予定で、その後継となる Qt WebEngine モジュールは現状 iOS や Android サポートの予定がないため、モバイルで需要の大きいと思われる Web 系モジュールがサポートされる見通しがつかないことでしょうか。

追加モジュール

先ほどの Qt Android Extras 以外にも Add-on モジュールがいくつか追加されています。

Add-on モジュールはサポートプラットフォームが限られているので注意してください。Extras 系のモジュールはそれぞれのプラットフォーム独自の機能を実装するためのモジュールです。Qt X11 Extras だけが 5.1 から追加されていました。例えば、Qt Windows Extras ではジャンプリストなどを実装するためのクラスが用意されています。

Qt Qml と Qt Quick

5.2 で最も大きく変わったモジュールがこちらです。言語エンジンとなる Qt Qml モジュールでは、以前から紹介 しているとおり JavaScript エンジンが V8 から V4 へと置き換わりました。これに伴い V8 エンジンが格納されていた Qt JS Backend は Qt 内では使わなくなっています。V8 → V4 なので一見バージョンダウンしたように見えるかもしれません。実際、JavaScript エンジンとしてのスピードは V4 エンジンは V8 にも (QtQuick1 で使用していた) JavaScriptCore にも現状では劣っています。しかし、Qt Qml エンジントータルの性能は向上しましたし、フットプリントも小さくなり iOS でも QtQuick2 が動くようになるなどそのメリットは大きなものです。パフォーマンスに関しては様々な改善が継続して行われており、5.2 のリリース時には JavaScriptCore 同等を目指すそうです。

描画エンジンとなる Qt Quick モジュールでは Qt Quick Scene Graph の改善によりパフォーマンスが改善しています。その詳細については「QtQuick の Scene Graph のレンダラが新しくなります」を参照してください。

その他

Qt Core や Qt Network 等にも地味ながら様々な改善が行われています。また、Qt Widgets にもいくつかの新機能が追加されているのが興味深いところでしょうか。

Qt 5.2 に含まれるものではありませんが、同時期にリリースを目指している Qt Creator 3.0 も開発が進められています。Android や iOS 対応などがその主な新機能になる予定です。

正式リリースに向けて

Qt 5.2 の正式リリースは 11月末を予定 しています。

「Qt 5.2 アルファ版」への2件のフィードバック

  1. 日本語「カタカナ・ひらがな」が表示できなくなりました。いわゆる豆腐になります。
    環境はfedora19 x86_64 です。 Qt はhttp://koji.fedoraproject.org/kojiの fc21 用のsrcをリビルド
    しました。

    1. 済みませんが、この場でサポートをしようとは思いません。
      適切な場に投稿してください。

      Qt Projectの日本語フォーラム( http://qt-project.org/forums/viewforum/42/ )や日本 Qt ユーザ会のフォーラムやメーリングリスト( http://qt-users.jp/index.html )が良いと思います。

      それから、上記の情報だけでは原因は不明です。具体的なパッケージ名やsrc.rpmをリビルドしたのであればbuild-depのパッケージはそろっているのか、configure時のログなどの情報が必要です。また、表示できていた環境に関する情報も助けになるかもしれません。

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