Qt 5.1 アルファ版

Qt 5.1 のアルファ版がリリースされました。

アルファ版ですのでリリースされているのはソースパッケージのみとなります。5.1 の新機能は詳しくは wiki に記載されていますが、主なものを記載しておきます。

Android & iOS

まだまだ実装途中のため正式対応というわけではありませんが、Android と iOS で Qt5 が動くようになりました。どちらも qtbase に関しては実装が終わっており、Android では Qt Quick 2 も動作しています。しかし、マルチメディアなどは一部のみ実装した状態ですし、 iOS では Qt Quick 2 は動作していません。Qt Creator での対応も十分ではありません。どちらのプラットフォームも Qt 5.2 での正式対応を予定していますが、まずは 5.1 で試してみてください。

Qt Quick Controls

Desktop Component と呼ばれていた Qt Quick 用のコンポーネントです。デスクトップ系のプラットフォームに対応するスタイルや様々な部品が含まれています。また、Qt Quick Layouts として、レイアウト用のコンポーネントモジュールも追加されました。まだまだドキュメント等が追いついていないようなのでサンプルを参考に使っていくことになると思いますが、これまでの素の QML でのレイアウトとは少し異なった感じで使っていく形になるようです。なお、タッチ系デバイスへの対応を 5.2 で予定しています。

Add-On

Qt Quick Controls 以外にも以下のモジュールが追加されました。

  • Qt X11 Extras
  • Qt Sensors
  • Qt Serial Port

Qt Mac Extras, Qt Win Extras に関しては時期尚早として 5.1 での採用は見送られました。

その他

  • Q_PROPERTY マクロでの MEMBER 指定子
  • QWidget::createWindowContainer()
  • QComposeInputContext
  • OpenGL の拡張
  • QML & C++ なプログラムを書く人にとっては Q_PROPERTY での MEMBER 指定子はありがたい機能ではないでしょうか。意外に面倒であったプロパティの作成ですが、これで大幅な簡略化が望めます。もっとも、バイナリコンパチビリティを考慮する必要がある場合には従来の READ と WRITE の双方を指定するスタイルを取らなくてはいけないでしょうが。

    今後

    5.1 のリリースの前に、5.0.2 がまずリリースされる予定です。

    5.1 に関してはこれからベータ、RC とステップを踏んでリリースが行われる予定になっています。バイナリパッケージはベータまでお待ちください。

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