Qt 5.3.0 が正式にリリースされました。予定通り、Qt Developer Day 2014 Japan に合わせてのリリースでした。
Qt 5.3 自体は 5.2 からのリリース間隔が短いこともあり安定性の向上を目指したリリースとなりますが、それでもいろいろな新機能があります。
- Windows Runtime のサポート(ベータ版)
- 商用版: QNX 6.6 の正式サポート
- QQuickWidget
- Websockets & cloud
- Qt Positioning API: Android と iOS のサポート
- Qt Bluetooth API: Android のサポート
- Qt Print Support モジュール のリファクタリングに伴う印刷関連の改善
- Visual Studio Add-In 1.2.3: Visual Studio 2013 & Qt 5.3 のサポート
- 商用版: Purchasing API(iOS, Android のアプリ内課金 API)
- 商用版: Qt Quick Compiler(テクニカルプレビュー)
Websockets に関してはこれまでも Qt WebKit 内ではサポートされていましたが、WebKit を経由せずに使用するためのモジュールとなります。
Qt 3D, Qt WebEngine に関しては 5.3 には間に合わなかったようです。
Qt Quick Compiler
ある程度の規模のある Qt Quick アプリケーションを組み込み機器やモバイルなどの非力なターゲットで動かした経験のある人は QML のコンパイル時間が意外と無視できないことに気がついているかと思います。
また、QML がテキストのままアプリケーションで使用されることもあり、以前から QML を事前にコンパイル仕組みの要望がありました。商用版限定なことに関してはいろいろな意見があると思いますが、デスクトップではコンパイラが無くても十分に速いですし、効果の高い領域は組み込みなどのビジネスユーザーの多い領域だと思われます。
いずれにせよ、面白い技術なのでこのブログか他の形になるかは分かりませんが試して報告できればと思います。